千葉絵里菜(理事)
絵里菜のことを知ったのは、彼女が札幌の大学に通っているときでした。
当時の彼女は、週に1度のペースでJR北海道の特急を利用して帯広へ帰ってきていました。
彼女が大学3年のとき、台風が北海道を直撃して、彼女が利用していたJR根室線も大きな被害を受け、不通区間はしばらく代行バスになりました。
彼女がいつものようにJRを利用しようとすると「介助者がいないので、代行バスは車いすで利用できない」ということで、JR北海道から利用を断られました。
結果、彼女は札幌から帯広に帰って来られなくなりました。
公共交通機関を身体障害者が利用できない。これは明確な障害者差別です。
この話を人づてに聞いて、頭に血が昇りました。そして水口は、JR根室線の特急が停車する全ての自治体を訪れて、JR北海道による不当な差別行為が行われていることを訴えました。
釧路市と占冠村では、その場で役場職員がJRに抗議の電話をしてくれました。帯広市と池田町は、顔を真っ赤にした坊主頭の男の言うことを真摯に聞いてくれました。
中には「うちの町民からはなんのクレームも来てないから知らない」という役場もありましたが。
そんなこんなで、水口が会ったこともない大学生のために勝手に大騒ぎしている間に、絵里菜はもともと乗れない(利用を断られていた)はずの高速バスに乗って、涼しい顔で帯広へ帰ってきていました。
彼女の突出した行動力は、みんなのポラリスの原動力となっています。
彼女の行動力、重い障害を抱えながら札幌の大学へ行き、卒業後は東京で社会人として働くという姿は、帯広の若い障害者たちの大きな希望の光となっています。
(水口)
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